コーヒーと月 満月の夜は、思っているより明るい。星は控えめになり、景色の輪郭だけが、静かに浮かび上がる。木々の影。湖面の揺らぎ。足元に落ちる、やわらかな光。ランタンは、最初すこしだけ明るすぎた。つまみを回し、炎を細くする。それだけで、夜が近づいてくる。今... 2026.03.07
傘の下の夜|ロッジ型テントと、やわらぐ灯り あのテントを初めて見たとき、心が、ふわりと軽くなった。ロッジ型の古いテント。まるで昭和のキャンプ場の夜を、そのまま抱えてきたような佇まいだった。新品の布にはない、やわらかなしわ。金具の小さな曇り。時間を重ねたものだけが持つ、静かな落ち着きが... 2026.02.26