夜に向き合うとき、私はいつも道具たちの静かな佇まいに耳を澄ませている。
道具を見るとき、私は比較をしない。 優劣ではなく、ただ“その夜に起きた現象”だけを見つめている。
ある灯りは影を伸ばし、 ある焚き火台は音の層を深くする。 あるチェアは静けさを乱さず、 ある素材は夜の輪郭をそっと整える。
道具は“良い・悪い”で語るものではなく、 その道具が、その夜にどんな変化をもたらしたかで語られるべきだと思っている。
比較を始めると、視線は道具そのものへ向かう。
けれど現象を見つめると、視線は夜そのものへ向かう。
私が知りたいのは、道具の優劣ではなく、その夜に何が起きたのかという事実だ。
比較は、夜の静けさを曇らせる。
観察は、夜の深さを明らかにする。
だから私は、 道具そのものを評価するのではなく、 道具が生んだ現象を丁寧に拾い上げていく。
それが、夜と向き合うときの、 私の静かな姿勢だ。
これは誰かに考えを押しつけたいわけではなく、 ただ、私が夜の道具と向き合うときに大切にしている静かな姿勢です。